地殻変動や温暖化による海面上昇で国や文明が滅んでしまった未来の地球。 生き残った人々には技術も人材もなく、大昔の艦をデータから復元して、 そこに残っていた水素エンジンを積み込んで逃げるように海に出た。 それから長い長い時が経ち、すべての陸地は海に沈み、 人類は自動航行装置と自己修復機能で永遠の時を進み続ける船上に街を作り、かろうじて生き残っていた。 主人公たちは、そんな船の上の町で暮らす少年たち。 船の上では娯楽に乏しく、親を手伝え、畑を耕し魚を釣り道具を直せと言われる毎日。 楽しみといえば月に一度だけ船が寄港する海上マーケットで、何に使うのかも分からない大昔の漂流物を眺めるくらい。 そんな閉塞気味な世界で鬱屈とした日々を過ごしていた。 ある時、主人公は大人たちが「絶対に入ってはいけない」と言う船の機関部に足を踏み入れる。 そこで、大昔の映像を見つけてしまう。 大勢の子供たちが集まり、楽しそうに過ごす学校という場所の光景があった。 色とりどりの衣装を身に纏い、歌って踊る女の子たちがいた。 それは、今はもうほとんど失われてしまった “文化” の光景だった。 さらに主人公は、カプセルの中で眠る女の子を見つける。 彼女が着ているのは、先ほど見た映像の服とそっくりだった。 主人公が触れると、何かを認証したようにカプセルが開く。 目覚めた女の子は記憶のほとんどを失っていたが、たった一つだけ覚えていることがあった。 それは、自分が “アイドル” であるということ。 アイドルとは歌って踊って、笑顔を振りまいてみんなを元気にするのが仕事だ。 そうして主人公は、この自称アイドルと共に海の上に浮かぶこの小さな世界に、文化を復活させるため奔走することになる。 彼女は言う。 “アイドル” をやるのだ―― と。
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