月ヶ咲は、3年目の冬に入った。 四季に関わらず、雪は降り続いていた。 ゆらゆらと舞い散る白い結晶。 そしてその雪は、積もることがないはずだった。 今ではもう、街を一面の銀世界に変えている。 雪の結晶に、一つとして同じものがないように、 雪道の足跡にも、うり二つのものはない。 たとえ後ろを振り返ったとしても、足跡は容易く溶けてしまうから、同じ道はたどれない。 まるで光のように、この時間という道は不可逆だ。</p> だけど、ユグドラシルの枝が、根元から見上げることで同時に観測できるように、 新たな道、新たな可能性を拓くことはできるだろう。 人間と妖精は、いくつもの雪道から、真に望むハッピーエンドを選び取らなければならない。 さあ、永遠の証となる雪の結晶(ゆきのかけら)を探す旅に出よう────
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