「ねえ、大丈夫?」 行き倒れていた僕に、彼女が手を差し伸べてきた。 その手はふわふわと柔らかく、まるでマシュマロのようで―― 花音 「私たちのお店にようこそ!」 やってきたのは洋菓子店 ”『marshmallow tree(マシュマロツリー)』 彼女はそこの新米オーナーで、僕を住み込みで雇ってくれるという。 汐 「一緒にお店を盛り上げていこうね」 こうして始まった洋菓子店員としての新生活。 お世辞にも流行っているとは言いがたいこのお店を、みんなで盛り立てていく日々。 紗々 「私、このお店のケーキと紅茶が大好きなんです」 礼羽 「私を雇おうだなんて10年早いよ、なんてね」 いろんな人の力を借りながら少しずつお店は賑わってきたが、 それに比例して僕のまわりの人間関係が、なんだかややこしいことになってきているような……? 汐 「新しいケーキ、キミをイメージして作ってみたんだけど」 紗々 「フタに残ったヨーグルトみたいな私が、センパイにあーんするなんてすみません!」 礼羽 「据え膳食わぬは男の恥っていう日本語。 どういう意味なのか教えて欲しいな、うふふ」 花音 「みんな仲がいいってとってもいいことだよねぇ〜。 この調子でお店を盛り立てていこーっ!」 仲がいいの意味を間違ってませんか花音さん!? 次々に起こるハプニングに毎日がてんやわんや、僕もお店もこれからどうなっちゃうの!? 個性的な面々に囲まれつつ、マシュマロのような甘くてふわふわの日々が始まったのだった――
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