コドモノアソビ

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「――さあ、決めろ」   丹生清澄は 奇妙な呪い に苦しめられていた。  なんとかしたくてもしようがない。 自分は一生これを抱えていくのかと、諦め混じりに新たな春を迎えたときだった。
  “あいつ”  が、目の前に現れた。  どうやら向こうは俺を知ってるみたいだ。 けど……俺はこんな得体の知れない女に見覚えはない。  初めてのはずだ。 会ったことがあったら忘れるはずがない。
  ただ、彼女は苦しげに顔を歪めていた。
    「……もう、我慢できなかった。    おまえが好きでおかしくなるところだった!」
    ――どういうこと?    「消えないんだよ。 何年経っても。    ワタシの中で、熱く、強く、脈打ち続けてた。 おまえのことが好きだって。 大好きだって。 苦しいくらいに。
   苦しいんだよ。 もう、耐えられないくらいに。 ワタシはおまえのことなんか好きでもなんでもないはずなのに。
   好きすぎておかしくなりそうだから――」
    「ワタシは決めた。 だから、丹生清澄。 おまえも決めるんだ。    おまえは、どうするのか――――」

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