それは 閉ざされた彼女たちの世界に「嵐」が侵入した はじまりの夜でした。 これは、『いま』 よりほんの少しだけ未来のお話。 サイボーグやアンドロイドというSFの世界のモノが少しだけ身近になってきた頃に、何故か竜とか狼男とか、全然SFらしくない変な噂が世間を賑わし始めました。 そんな時、一人の少女がひっそりと、知らない誰かにメールをしました。 誰に届くかも分からないメール。そこにはこう書かれていました。 たった一言 『Save Our Ship』 と。 けれど、不思議なことにその一通のメールは、確かに何処かに届いたようなのです。 ここは、世界でも有名な 研究学園環境都市・ツクバ。 巨大な摩天楼とお金を掛けて作られた綺麗で整理された町並みのすぐ側に、緑濃い畑や牧場がまだたくさん残っている──そんな街。 そのツクバの郊外の小さなお屋敷に、両親を亡くした二人の姉妹が住んでいました。 あるひどい嵐の夜、一人の男がその家のドアを叩きました。 彼の正体は? そして彼は何故、晴れでも曇りでも傘を離さないのでしょうか? 今日もまた、見えない流星雨が宙から降り注いでいます。 大きな傘の下で、彼と彼女たちは本当の家族になっていくことが出来るのでしょうか。 これは、無理矢理に 『家族』 という枠にはめ込まれた彼等が、やがて本当の 『家族』 になっていく──そんなお話です。 もちろん、結末はまだ決まっていませんが。 そして、彼女が打ったメールにはこんな返事が届いていました。 『wilco』 物語の幕開けです。
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