はじまりは、ここにする。 誰もが、様々な想いを抱えながらも、「慌しく過ごさなくてはならない」と急かされるような、ある年の瀬。 都会からほど近いニュータウン・恵美市(めぐみし)でも、そうした風景が幅をきかせていた。 “クリスマスイヴ”という名で知られる、その日。 ごく平凡な青年・直人(なおと)は所用の道すがら、不思議な少女と出会う。 出会った記憶のない、その少女を何故か「知人」と意識した時、彼らの物語は幕を開ける―。 ―ある者は、楽しく過ごす“時間”を守るため。 ―また、ある者は、無自覚に“何か”を手に入れようとして。 ―そして、ある者は、大切な“目的”を果たすために。 それぞれの運命が、物語を織り成してゆく。
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