日常の崩壊、明日を生きる権利を奪われた人々、その都市は墓標となる―― ある蒸し暑い日。 首都西部に位置する大規模都市・八王市では、平穏な暮らしを送っている市民がいつも通りの時間を過ごしていた。 しかし、そんな平和な都市を突然襲う、震災。 そして、八王市は地獄になった。 八王市で暮らす主人公・滝沢裕也は、偶然にも倒壊した建物の隙間に居たため奇跡的に助かった。 しかし、見慣れた景色のあまりの変貌ぶりに、現状を把握できず途方に暮れてしまう。 なんとか家族を探し始めるが、自宅はすでに瓦礫と化し、いくら探しても家族の姿は見えず…… だがその時、彼はかすかに聞こえた音を頼りに、瓦礫に埋もれていた妹の梨花を発見する。 お互いの無事を喜ぶ裕也と梨花。 ふたりは上空を飛ぶヘリコプターを目撃し、救いを求めて駅に向かって歩き出す。 瓦礫の山を進むふたりだったが、不思議な事に途中、人どころか、血の痕はあっても遺体すら見かけない。 そして辿り着いた駅前では、どういうわけか、先ほどのヘリコプターが燃えていた。 不安に震える梨花を抱き寄せ、どうするか悩んでいた裕也の前に、暗がりの中から人影が現れる。 それはうつろな目をして、こちらの呼びかけにも答えず近づいてくるヘリの隊員らしき男。 その異様な光景に恐怖を覚えたふたりが後ろに下がると、突然隊員の口や身体から何か蛇のような長く恐ろしいものが飛び出した! それが一斉にふたりを襲い、だがその瞬間別の男が隊員に殴りかかり、頭を一撃された隊員は崩れ落ちる。 そのまま気が動転しているふたりを連れ、男は駅前のショッピングモールへと駆けこむ。 厚い防火扉に仕切られたスペース、そこには、この災厄に巻き込まれた生存者たちがいた。 そこでふたりは、先ほどの駅前での出来事・謎の死者たちの事を知る……… こうして出会った、わずかな人々。 そして、明日を生きる権利を奪われた人々の、生死を賭けた悲劇の幕が上がる。
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