幼なじみの少女・銀花は、夏祭りの夜、 “神隠し”にあって消えてしまった。 あれから5年。 高校生になった青羽流星は、フェリーに揺られ、 ふらりとひめ島へ帰ってきた。 確かめたかった。銀花はあれから、どうなってしまったのか? もしかしたら、何事もなかったように家へ帰っていて、 島の高校に通いながら普通に暮らしているんじゃないか……。 そんな淡い期待は裏切られる。 あの夜からずっと、銀花は行方知れずのまま。 失意に沈み、再び島を離れようとする流星だったが、 そこで不思議な再会をする。 目の前に現れたのは、 あの頃の姿のままの少女――ギンカ。 『おかえりなさい』 自分の名前さえ忘れてしまったギンカ。 覚えているのは“リュウセイ”の名前と、 彼を好きだという恋心だけ。 今までどこにいたのか? なぜ、幼い姿のままなのか? おだやかに時間の流れる小さな島で、 “神隠し”から帰ってきた幼なじみの少女と過ごす、 おとぎ話のような夏休み。
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