主人公・久保倉優(くぼくら・まさる)は、さりとて何が得意でもない普通の学生だった。 巨大企業が維持経営する巨大な街、そこに設立された私立の学園の生徒だった。 まわりに何人かの幼馴染や後輩もいる。クラスメートとも仲がいい。 そして、退屈だが、平和で平穏な毎日が続いていた。 そう、あの日のあの一言がなければ。 ある日、クラスメートの綾瀬なつみがうつむき気味に言った。 「部活の事で、ちょっと困ってて……」 相談事だろうか? 僕は、友達の困った顔は、好きじゃないから。 笑っていて欲しかったから 「僕にできる事かな? だったら、手伝うけど」と何気なく返事をしただけだった。 その数時間後――― 何故か。 何故か、僕は、ボランティアワーク部というアルバイト同好会のような?な同好会に入会させられ、あまつさえマネージャー兼部長に任命され、あろうことか、まさにいま目の前で僕の為の新入部員歓迎会などが、つつがなくいけしゃあしゃあと催されているのだった……。 「(おかしい?!)」 僕には、入部するとも、したいとも言った記憶はないんだが。 僕は、ただ、母親の、友達の、女の子の、困った顔を見たくないだけだったのに……。 そして、その日から、僕の同好会マネージャーとして、学園都市各地で働く女の子達への笑顔を守る為に、ケアな日々が始まるのだった……しかも、見張り付きで……。 なんで? どうして、こうなったのか、たのむから、誰か教えてくれ!!! 僕の心の叫びなど、顧問教師や女の子一同には、当然聞こえないし、まるっきり届きもしないのだった。
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