月の光を背に浴びて、巨大な薔薇は咲き誇る。 地球から300,000Km離れた夜空に咲く美しい薔薇。 人々はその薔薇を《コンスエロ》と呼んだ。 《コンスエロ》は地球に向かって赤黒い触手を伸ばす。 まれに地球に撃ち込まれる《棘》の弾丸は、 その衝撃だけで落下地周辺の都市を消滅させてしまう程の威力だった。 STX宙軍はコンスエロに抗う唯一の手段として、 星外除花機動スーツ《バトルシープ》を開発した。 《バトルシープ》は操縦士の精神エネルギー、 通称《セル》によって起動する《電気の羊》だ。 操縦士の持つ《セル》が強ければ強いほど《バトルシープ》も強くなる。 《棘》を撃つ兆候を見せれば、軍は総力を挙げて戦った。 しかし、STX宙軍の奮戦もむなしく《コンスエロ》の《棘》は地球へと撃ちこまれてしまう。 《棘》はトウキョウに着弾し、周辺都市は衝撃により消滅した。 地上に着弾した《棘》は大地に根付き、小型の《コンスエロ》を芽吹かせる。 増殖した《コンスエロ》は人々を襲い、侵略範囲を拡げていった。 《コンスエロ》に侵略された東京は生存者を残したまま、 《STX宙軍》により《封鎖区域》に指定されてしまう。 逃げ遅れて《封鎖区域》に閉じ込められた人々は、 日々《コンスエロ》の脅威に怯えながら暮らしていた。 物語の舞台は《ワンガンダイバーシティ》 封鎖区域で生きる弱き人々の為に、 たった一人で《バトルシープ》に乗り込み《コンスエロ》と戦う男がいた。 男の名は《夜鷹一蔵》と言った。かつてSTX宙軍の大佐として《精鋭部隊》の指揮を取り、 自らも《バトルシープ》で前線を駆けていた《戦う操縦士》だ。 青い光の尾を引いて、宇宙(そら)を自在に翔ける夜鷹は、 他の操縦士たちにとって大いなる目標であり、憧れだった。 そんな彼が何故、軍から逃げ出してまで《封鎖区域》で戦うのか? 「俺は薔薇に責任がある!俺が人間である限り、闘志は燃え続ける!いつまでも、いつまでも……!」
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