田舎暮らしの学園生――幸坂修司はある日のこと、山の中で謎のケモ耳を尻尾を生やした、奇妙な少女を拾う。 彼女は十年以上も前に、その山で “神隠し” に遭った女の子のなれの果てだった。 どんな暮らしをしていたのか、言葉を忘れ、常識を知らず、人間なのかすら怪しい少女――いろは。 成り行きから彼女の面倒を見ることとなった修司は、 非常識に振り回されつつも、その無邪気な姿に惹かれていく。 けれど、この世界は決して誰もが優しいだけの場所ではなく。 彼女が失った時間は、あまりにも長く、取り返しがつかなくて。 いろはを取り囲む現実と不安な未来。 それを目の当たりに、自然と修司の心には一つの気持ちが満ちてくる。 どうしてなのかな? 君を守りたいって思うのは―― ――雪解けの季節。凍っていた時間が、動き出す。
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