「女は(怒らせると特に)怖い、めんどくさい」 旅館グループ『桐乃屋』を経営する家に生まれた少年、桐谷陽弥(きりたに・はるや)。 押しの強い姉や妹を筆頭に女だらけの環境で育ったために気苦労が絶えず、これまでにずっと男子校生活を送ってきた。 「はぁ、やっぱ男のダチって気楽でいいよな……!」 とはいえ、そこはやはり年頃の少年でもあり、 「かわいい(怖くない)女の子とつきあってみたい――」 そういう気持ちは、どんどん強くなってきている。 家業の都合でずっと離れていた生まれ故郷に十年ぶりに戻ってくることになり、今回の転入先はついに共学校。 懐かしい町での新しい出会いに期待する陽弥だったが、そこには意外な形での懐かしい出会いが待っていた。 「えっ……男じゃなかった!?」 知らない女の子と出会ったと思ったら、それは昔、男友だちだと思って一緒に遊んでいた幼なじみだったという衝撃の事実が発覚する。 しかも以前とはまるで雰囲気の違う、きれいな子になっていて――。
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