学帽・黒マントに学生服という、弊衣破帽を体現した出で立ちの青年。 また腰元にはサーベル拵えの軍刀を佩用しており、明らかに只者ではない雰囲気を漂わせる。
その身なりは時代錯誤としか思えないが、信天島の館においては当世風にマッチしてしまっている。
彼は、ここ5年より向こうの記憶がないという重度の記憶喪失状態。
にも関わらず本人にそれを気に掛ける様子はなく、原因不明ながら究明しようともしていない。
その影響ゆえなのか、バンカラな格好とは裏腹に穏やかな気性の持ち主。
そんな彼の職業は“探偵”。 奇抜な発想と豊かな想像力で培われた彼の推理は、余計なものに惑わされていないつもりでも、大きく的を外してしまうケースが目立つ。
だが、そのおかげで事件を解決してしまうことが多く、依頼人からの評判も良い。
その評価を受けるのは、本人にとっていささか不本意であるものの、解決して良かったと思う気持ちが強いため、その“迷”推理を省みたことは一度もない。
彼の用いる軍刀は考え事をする際に役立つらしく、一振りするたびに頭が冴え渡るというが真相は不明。
まだ見習いの身分だが、信天島のとある謎を解明すべく招かれたという。
しかしその反面で、本人はそれ以外の目的意識も持っているようだが……？

「これは恐らく、この島にいる人間の犯行に違いない」