「あなたに愛していただきたいのです」
美しい王女はそう言って微笑んだ。
我々の住む世界とは違う、科学ではなく魔術で発展した剣と魔法の世界。
そんな世界から 3人の王女たちがやってきた。
その目的は、主人公・飯伏大和 の精を、その身体に受けること。
突然のことに驚く大和に、王女たちは切々と語りだす。
自分たちの世界が今、未曽有の危機に直面していること。
その危機を救うためには、魔力を高める必要があること。
そして大和の精には特別な力があり、精を受けることによって魔力が高まるということ。
だから、3人の中から誰かを選んで、愛してほしい――
魅力的な王女たちの申し出に、驚きつつも受け入れようと努める大和だったが、彼女たちには呪いが掛けられていた。
心優しい王女・ファティに掛けられていたのは“眠ると小鳥になってしまう呪い”。
身体を重ねても朝まで同じベッドで眠ることすらファティには叶わない。
公正を愛する王女・リアンに掛けられていたのは“激昂の際に高熱を発症する呪い”。
リアンは己の思いを伏せることを内心で決意するのだった。
そして誰もが憧れる美しい王女・セレアに掛けられていたのは“愛する者に愛の言葉を告げられない呪い”だった。
どれだけ大和を思っても「愛しています」と伝えられない悔しさ……。
3人の王女はそれぞれの苦悩を秘めながらも、ひたむきに大和を想い、気持ちを通わせていく。
「愛されたい」というその願いを叶えるために――――